作業療法士について学ぶ学校選びのポイントについて解説!
作業療法士になるには大学や短大、専門学校などの養成機関において3年ないしは4年学ぶ必要があります。しかし作業療法士になりたい理由は人によって異なるため、自分に合った学校選びが大切です。そこで本記事では、作業療法士について学ぶ際のポイントとそれぞれの学校の特徴を紹介します。
作業療法士の仕事の魅力
身体面と精神面の両方を治療できる
理学療法士は体の活動を取り戻すために、立つ、座る、歩くなどの治療を行いますが、作業療法士は家事や地域活動を通して「生活の質の向上」を目指します。病気や怪我によって思うように動かなくなってしまった指の機能を回復する訓練を行ったり、その後の生活に不安がある方の相談に乗ったりすることで「生きがい」を一緒に見つけることが作業療法士の仕事です。
患者さんが自分の組んだプログラムを行い、社会復帰していく姿を一番近くで見られることが作業療法士の魅力といえるでしょう。
患者さんとのコミュニケーション
患者さんと親密なコミュニケーションをとると、思いがけない趣味や向いている仕事が見つかる場合があります。自分にとっては当たり前でも患者さんにはよい刺激になることが数多くあることが作業療法士として働く魅力です。
また患者さんとコミュニケーションをとることで、取り入れたい訓練や今後行いたい動作が分かり、プログラムを一緒に作っていけることも作業療法士の醍醐味です。
専門性が高くやりがいがある
作業療法士の「作業」は何か一つのことを指しているのではなく、日常的な動作のすべてが集約されています。作業療法士として働き始めたときは、食事から運動、排泄、掃除など多岐にわたる仕事を行いますが、経験を積んでいけばいくつかの項目に絞り、自分の得意な仕事を極めることも可能です。
得意なことを仕事にした例では音楽療法士という職業があります。この職業は作業療法士でありながら音楽を聴いたり弾いたりすることに特化した療法士です。このように自分の得意分野を伸ばしていくことで、今はない職業でも自分で開拓していくチャンスがあるのが作業療法士の魅力です。
作業療法士について学べる学校の種類
大学
大学で学ぶ大きな利点は専門知識だけでなく、一般教養も学べる点。一般教養や幅広い知識を吸収できるため、初任給がわずかに高いことも大学のメリットでしょう。
また大学院進学を目指している方は、大学を卒業する際に大学院進学に必要な「学士」を取得できます。大学院でより専門的に学びたいと考えている方は、大学に入学するとよいでしょう。
短大
短大は最短三年学ぶことで作業療法士になることができます。大学より少ないものの一般教養を身に付けられるため、早く現場に出たいが知識もつけておきたいという欲張りさんにおすすめです。
専門学校
専門学校は大学や短大と違い、専門的な知識や技術習得に力を入れているのが特徴です。大学や短大卒よりも技術的な面では一歩前に出られるため、社会に出たばかりの時期であればスタートダッシュを切れるでしょう。
作業療法士について学ぶ学校選びのポイント
どのように学びたいか
作業療法士の学校の選び方として大切なことは「どのような作業療法士になりたいか」ということです。幅広い知識を使って患者さんと向き合いたいのか、第一線でいち早く業務にあたりたいのかによって選ぶ学校は変わってくるでしょう。
知識を多く身に付けたい場合は4年生大学を専攻するのがベストで、早く現場に出たい場合は専門学校を卒業するのがよいでしょう。それぞれの目的に合わせて学校選びを行うことが大切です。
就職率と就職先を見る
作業療法士などの医療系の職種では、基本的に働き手が不足しているため、就職率は他の業種と比べて安定しているといえます。しかし、大学や専門学校を選ぶ際には就職先に目を向けることをおすすめします。
作業療法士は一般的に身体障害、精神障害、小児、老年期と4つの分野が存在するようです。自分の目指している分野が就職先にあるかを見ておくと、就職活動の際に慌てることがなくなるでしょう。
WFOT認定校であるか
作業療法士の養成学校の中には海外で活動できるWFOTの資格を取得できる学校があります。WFOTの資格があれば海外の作業療法士として活動できるため、海外での活動を視野に入れている方はぜひWFOTの認定校である養成学校を選ぶとよいでしょう。
国家試験の合格
国家試験の合格率を確認することも作業療法士の学校選びで大切なことです。作業療法士になるには絶対に国家資格を取得しなければなりません。
学習内容がどんなによくても国家試験の合格率が低い学校は、作業療法士の道が遠ざかってしまうのです。現役のうちに合格できるよう、合格実績の多い養成学校を選びましょう。
今回は作業療法士になるための学校の特徴と、作業療法士の仕事内容について紹介しました。作業療法士になるには養成学校に入る必要がありますが、学校選びは大切な要素です。どのような作業療法士になりたいか考えたうえで学校を選んでみてください。